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【映画レビュー】『アベンジャーズ インフィニティウォー』は新しい映画の形。

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※このレビューはネタバレを含みます。

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原題:Avengers:Infinity War

監督:アンソニールッソ/ジョールッソ

脚本:クリストファーマルクス/スティーブンマクフィーリー

原作:スタンリー/ジャックカービー

製作:ケヴィンファイギ

音楽:アランシルヴェストリ

撮影:トレントオパロック

編集:ジェフリーフォード

出演:ロバートダウニーJr/クリスヘムズワース/マークラファロ/クリスエヴァンス/スカーレットヨハンソン/ベネディクトカンバーバッチ/ドンチードル/トムホランド/チャドウィックボーズマン/ポールベタニー/エリザベスオルセン/アンソニーマッキー/セバスチャンスタン/ダナイグリラ/レティーシャライト/デイヴバウティスタ/ゾーイサルダナ/クリスプラット/ジョシュブローリン など

 いやもう主要キャストの数よ、、笑
内容以前にこのメンツで製作される映画も前にも後にもないと思うし、製作費も推定300~400億円という恐ろしい映画です。
 
はっきり言ってこの映画、とんでもない大傑作だと思っています。
今回のタイトルにもあるように映画の新しい形を作り上げたと考えており、そこを中心にレビューを書いていきます。
 
目次

1. 2010年代の映画史はマーベルの時代

そもそも2008の「アイアンマン」から始まり、2012年の「アベンジャーズ」で全員集合したことがMCUの原点です。この「アベンジャーズ」の興行収入は未だに世界で歴代5位の座に君臨しています。

 

 これによってライバルのDCコミックはDCEUというユニバースの制作を開始し、

レジェンダリーピクッチャーはゴジラキングコングがクロスするモンスターバースというシリーズを製作しました。

その後、ユニバーサルがダークユニバースというものを作ったものの1作目から不発に終わりそうですよね。笑

さらにこの波は収まることを知らず、Mナイトシャラマン監督の「アンブレイカブル」と「スプリット」がクロスオーバーするシャマランユニバースが製作されました。

(そもそも「アンブレイカブル」はシャマラン流のアメコミヒーローものですので、次回作の「グラス」はシャマラン版アベンジャーズとも言えるでしょう。)

なんならスターウォーズですら、今や複数のシリーズをフランチャイズ展開していくものになっています。

 

 でもはっきりいってDCEUはMCUと早く対抗するために2作目の時点でヒーローを大量に登場させる焦りを見せ、内容もがたがたな作りになってしまいました。

だから5作目の「ジャスティスリーグ」では元祖にしてライバルの「アベンジャーズ」の監督のジョスウェドンがDCEU作品の追加撮影監督に任されたことで大きな方向転換を行いました。(ザック監督の降板理由じたいは身内の不幸です。)

ダークユニバースもあまりにも次回作に任せすぎていて、シンプルに1本の映画として楽しめない近年のトムクルーズ作品にしては散々な出来になってしまいました。

スターウォーズも全体を指揮するキャスリーンケネディと各監督との相性がうまく合わないため、監督交代劇が相次ぎました。 

 

ですがここまでの一大ユニバースブームを作り出した事実からすれば、2010年代のハリウッドはMCUの時代もしくはユニバースの時代と言えるでしょう。 

 

2.なぜMCUは続くのか。

そんな状況でMCUだけが10年間に18作品も作ることを可能にしているのは、作品のひとつひとつが地に足の着いた1本の映画として成立しているんですよ。

 

例えば「キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー」なんか普通にポリティカルサスペンスとして面白いし、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はスターウォーズと十分張り合えるスペースオペラだし、「アントマン」なんかエドガーライト風味が強いコミカルな作りなっているのです。 

 

そのノウハウが今作「アベンジャーズ インフィニティウォー」でも光っているのが、ちゃんとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーのセリフまわしは単体の作品の脚本を書いていたジェームズガン監督が監修しているんです!! 

 

ドラえもん」でいうところの劇場版になると急に優しくなるジャイアンみたいな現象は起きないんですよ!

 

ですが、、、

 

そんなMCU初めて1本で成立していない映画を作ったのが今作「アベンジャーズ インフィニティウォー」なんです!

 

3.今作が持つ特異性

これまではしっかりと起承転結がある映画を作ってきました、というよりそれが強みだったのです。「アベンジャーズ」では反発しあいながらも結成していくまでの物語、「アベンジャーズ エイジオブウルトン」では初出の敵ウルトロンとの物語に起承転結がありました。

 

ですが今作の敵のサノスは「アベンジャーズ」のエンドクレジットに出てきてから、ちょくちょくゲスト出演することで存在をにおわせてきました。

しかも10年間もにおわせていたのでいちから自己紹介はいらないわけです。

 

サノスが各キャラが保有しているインフィニティストーンを集めて、銀河の半分を滅亡させようとする。

みんなでストーンを防衛する。

 

基本はこれだけなんです!笑

 

「それじゃあDCみたいな地に足着いてない感じなの?」と思いますよね。たしかにそういう意見もわかります。

 

でも今作はすごく圧倒され、150分間ひたすら充実感を感じるのです。

 

そこに私はユニバースの元祖にして頂点のMCUだからこそ成し遂げられた、映画の新しい形を感じました。

 

4.今作が提示した映画の新しい形

 

これまでの過去の単体作品をしっかりと作っていたおかげで、

 

  • アイアンマンは過去作でいずれやってくるサノスに備えていることを描いている。
  • キャプテンアメリカが国家から離反しアイアンマンと和解が必要なことはは「シビルウォー」で描いている。
  • ストーンを持つマイティソーとロキとハルクは「マイティソー バトルロイヤル」のエンドクレジットでサノスと遭遇するところで終わるから、今作の冒頭で彼らの戦闘を描いてもついていける。
  • ガーディアンズオブギャラクシーのメンバーの中でもドラックスの妻子がサノスに殺されてるし、ガモーラはサノスの娘であるということは単体で説明している。
  • ヴィジョンは体内にストーンを保有していることは過去作で説明しているから今作でサノスに狙われることは説明不要だし、当然恋仲のスカーレットウィッチは守るでしょう。
  • スパイダーマンはニューヨークを守るために活動する事は「ホームカミング」で描かれていたから、当然サノスの手下がニューヨークにくれば出動する。
  • ドクターストレンジがストーンを持つことは単体で説明されている。
  • ワガンダという国がどんな国なのか「ブラックパンサー」で触れているから十分理解できる。
  • 説明しきれてないサイドキックたちも過去作を観ればわかります。

 

このように彼らの設定や性格は十分説明されてるからセリフにせず、行動さえみれば観客に行動原理や心情が伝わるようにできているんですよ

今更なにを説明する必要があるんだってことです。

 

だからこそ今作はあまり過去に触れられ無かったサノスというキャラクターにスポットを十分すぎるくらい当てることが出来ているんです!

 

普通のヒーロー映画のヴィランはどうしても悪役が一面的だったり、ただのストーリー上の障害として描かれてしまいがちです。

ですが今作はサノスという一人のキャラをしっかりと描く余裕があるため、観客は共感できる悪役になっているのです。

 

だからこそあのラストの複雑な表情。。。

なんですかあれは、、

 

銀河を半分滅ぼした後にあんな顔をする悪役を見たことありますか??

 

これこそ10年間、18作品を丁寧に焦らず作ってきたMCUだからこそ作れる映画なんだと思いました。

 

これはもう来年の完結編である「アベンジャーズ4(仮題)」が楽しみでなりませんし、この次回作までお預けくらって焦らされる感じが「帝国の逆襲」を見させられてから「ジェダイの復讐(帰還)」まで待たされた当時の人々が感じたものと同じなのかとか思っています。

 

だからもう「アベンジャーズ インフィニティウォー」は2000年代の「帝国の逆襲」といっても過言ではないかと。

 

 5.最後に(ネタバレなし)

もしこのレビューを読んでいて、過去作に1つでも未見があるならば見ることを強くお勧めします。「忙しい人にむけた...」とか今作にはあまり通用しません。

 

この映画は間違いなく歴史に残る超大作だし、150分間ひたすら30人の主役ヒーローが戦う映画なんて今後見れるかわかりません。

しかもハリウッドで初めて全編IMAXで撮影したため、IMAXシアターで見てる必ずおきる途中で画面のサイズが変わることがないんです!

 

つまり!

見ない理由がみあたらないってことです。

 

長文お付き合いいただきありがとうございました。

 


「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」本予告

 

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